<医療情報等>
<2022年1月:新型コロナウイルス>
わかってきたこともありますが、まだまだわからない部分が多いです。
今後について様々な予想がされていますが、正解は誰にもわかりません。
いろいろな意見が飛び交っています。変異株が出てきたと騒がれますが、ウイルスは変異するものです。感染者数が何倍にも膨れ上がった!という表現も、「何人」で統一した方が良いかもしれません(1人が100人に増えると100倍と表現できますが、1000人が10000人になると10倍と表現されます。しかし、実際には後者の方がよほど数が増えています)。文字、言葉に踊らされることなく、冷静に判断しましょう。
病気は新型コロナウイルスだけではありません。「コロナが流行しているので、健診を今回はしなかった」という方が多いです。また、当院を受診された患者さんのお薬手帳を確認すると、かかりつけでもらっている薬が無くなっても、そのままにしている方もいらっしゃいます。高血圧、糖尿病等の生活習慣病の悪化は重大な病気につながります。
きちんとかかりつけを受診し、管理してもらいましょう。
​<2021年11月:セキ薬品の暮らしの健康情報>

今回のテーマである、「胃がん予防について」のコラムを担当しました。

「胃がんってどんな病気?」

胃がんの多くは、ヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)に感染することにより発生します。ピロリ菌に感染し時間がたつと、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎が進みます。この萎縮性胃炎の程度が重い程、胃がんの発生率が上昇します。

ピロリ菌をやっつける(除菌する)ことにより、胃がんの発生率が低下すると言われています。除菌が保険適応(条件があります)になってから、以前と比較して実際に胃がんの患者さんが減っています。しかし、除菌したからといって、胃がんにならないということではありません。胃がんは、検査をして早期の状態で発見し、治療することができれば命を落とすことのない病気になりました。


「胃がんの検査について」
では、どのような検査が良いのでしょうか?答えは胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)です。早期の胃がんは自覚症状が全くないため、直接見つける必要があります。バリウム検査は、凹んだ所にバリウムが溜まる、盛り上がっている所はバリウムがはじかれることを利用し、レントゲンで撮影された画像をみて病変を想像する検査ですが、胃カメラで直接見た方がわかりますよね(下咽頭がん、食道がん、十二指腸がんの発見もできます)。また、凸凹していない胃がんはバリウムでは決して見つけることができません。胃カメラを受けて病気の早期発見、早期治療により、自分の身を守りましょう。

<2021年8月:医療情報について>

現在は以前と比較して、インターネットでいろいろな医療情報を得ることができます。しかし、正しい情報ばかりかというとそうでもなく、専門家と言われる方のコメントでもあきらかに間違っていることもあります。医学の進歩は速く、以前の有名な医学書に書いてあったことでさえ、現在では確実に間違いと言われるものもあります。本当に正しいかどうかは長年経たないと実際にはわからないものなのかもしれません。また、個人差もありますので、ある方には効果があって、ある方には効果がないものもあります。さらに医療情報は専門用語が多く、何度読んでも理解が難しいものがほとんどだと思います。半分も理解できれば十分なくらいだと思います。最終的には本当に個人の判断になると思います。その方の人生ですから。医療情報を自分なりに調べ、わからなければかかりつけの医師に相談する、かかりつけがいなければ近くのクリニックに行ってみる、セカンドオピニオンを求めてみる等の行動をとっていただければと思います。何度も直接医師に質問することが重要だと思います。その上でご自身でもしっかり考えてみて下さい。

<2019年8月:直腸NETについて>

NET(neuroendocrine tumor:ネット)は以前カルチノイドと言われていたものです。
転移しない良性腫瘍と言われていましたが、サイズの小さいものでもリンパ節転移の報告が出てきました。癌とは違う見た目なので、見落とされることがあります。治療法は10mm未満であればESDが選択されます。顕微鏡の結果(病理結果)によって、追加で外科切除した方がいいのかどうか判断しますが、2019年8月現在、最新のガイドライン(指標)がなく、迷うことがあります。リンパ節転移の危険因子(リンパ節転移の可能性を高める原因)は腫瘍のサイズが10mm以上、表面が崩れている、血管やリンパ管に浸潤(入り込んでいる)している(脈管侵襲陽性)ことですが、10mm以下では転移率が4.7%との報告があります。5mm以下の直腸NETにおけるリンパ節転移率は3.7%との報告があります。また、Ki-67の指数によって手術が推奨されていたりします。

<2019年7月:がん検診「異常なし」について>

胃がん検診を受診し、「異常なし」と言われた方がいると思います。異常がないと安心しますよね。私は群馬県医師会主催の「胃がん読影従事者講習会」の講師を務めさせていただいたことがありますので(2015年3月4日伊勢崎市、2015年10月27日前橋市、2016年3月16日太田市、2017年3月10日桐生市、2018年3月8日館林市)、検診業務についても知っているつもりです。群馬県太田市は全国に先駆けて胃がん検診において胃カメラを導入しています。先見の目があり、患者さんのことを本当に思う医師が努力なさった結果と思われます(胃カメラとバリウムについては別のページ:内視鏡をご覧下さい)。胃カメラにおいてのお話しをします。「異常なし」という結果は、「本当に何も異常がなかった」というのと、何かあったが、組織を摘まむ検査(以下生検)でGroup1が出た場合、「大丈夫でしょう」ということもあります。Group1だった場合、一年後にフォローの胃カメラをしましょうということになると思いますが、癌でもGroup1という結果が返ってくることもあるんですよ。私の場合は生検をしてGroup1が出ても、胃カメラの画像で癌と診断した場合は、治療の予定を立てます。胃の炎症が強く、癌と確定はできない場合も、患者さんに「生検の結果(以下病理結果)が問題なくても癌が疑われるので、近いうちにまた必ず検査を受けて下さい」とお話しします。検査をした医師が良性のポリープと思ったが念のため生検し、病理結果にてGroup1が出たため、「やっぱりただのポリープだ」と確信した症例があります。その一年後に癌と診断されたのですが、一年前の画像をみてみると癌を強く疑うものでした。一般の方は検診についても、わからないことが多いと思います。それぞれの疾患、検査結果に精通している医師に診てもらう方がいいです。

<2019年6月:大腸癌で死なないために>

日本人男女に増加してきている大腸癌の予防には、大腸ポリープ切除が重要です。National polyp studyという研究により、内視鏡的ポリープ切除術(EMR、ESD)は大腸癌の死亡率を約50%下げることが示されています。全てのポリープを摘除することが望ましいと言われています。
次は、他の医師と話していた時の事です。その医師は、「毎日ヨーグルトを食べるより、一年に一度大腸カメラを受ける方がよっぽど安上がりだし、大腸癌で死なない。ヨーグルト食べてても癌になるんだから。」と話していました。ヨーグルトは食べてもいいと思いますよ。私も食べてますし。しかし、大腸癌予防のために食べているわけではありません。おいしくて好きなのと、カルシウム摂取の観点からです。一般の方は、ヨーグルトやサプリメントが大好きですよね。健康補助食品等、高額でも買っています。一方で、予防のために医療機関に支払う検査代、治療費などは非常に気にする方が多いです。いろいろとしっかり勉強して、自身の健康を守って下さい。しかし、プラセボ効果は無視できない程に効果がありますので、気分が良くなったりするのであれば、そのために高額なお金を支払うのは悪いことではないと思っています。